未経験でのIT転職は難しいと思いますよね。
ましてやはじめての転職となったら、とてもハードルが高く感じられると思います。
でも、あなたが20代であれば、そんなに難しい話ではないんです。
本記事では、未経験からIT業界へ転職する20代の方向けに、転職に失敗しないためのポイントや成功を高めるためのポイントについてお伝えします。
記事を書いている僕は、IT業界歴20年ほどの現役エンジニアです。
これまでに転職を行いながら様々な企業で働き、エンジニアとして採用活動にも携わった経験があります。
なお、本記事は20代の方向けの内容となっています。
30代、40代の方向けには、別の記事にまとめていますのでよろしければご覧ください。
20代未経験のIT転職は難しくない
あなたが20代であれば未経験でもIT転職はそれほど難しくありません。
それは以下の理由があるからです。
- IT業界の人材不足は増加している
- IT業界の職種はエンジニアだけではない
それぞれ詳細に解説していきます。
IT業界の人材不足は増加している
下記の図を見てください。
経済産業省の調査(2019年3月)によると、IT人材の不足数が2018年時点で22万人で、2030年には45万人前後になると予想されています。
僕がこれまでに関わった企業でも、常に人材不足の状態でした。
近年はAIやビッグデータ、ブロックチェーンなどの新しい技術の登場によって、技術をもった人材も不足しています。
これから学習を始めても十分にチャンスがあると言えるでしょう。
IT業界の職種はエンジニアだけではない
IT転職といえばプログラマーやエンジニアになる、というイメージを持たれている方が多いと思います。
実際のIT企業では、プログラマーやエンジニア以外にもたくさんの職種の方が働いています。
近年Webが発展してきたことで、インターネットを使って事業を行う企業や職種がたくさん出てきました。
プログラミングは苦手という場合でも、別な職種でIT業界で活躍するという選択もあります。
後述にて一部を紹介しますが、自分の興味がある職種を見つけてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
20代未経験のIT転職を失敗しないためにやっておくべき準備
未経験のIT転職における失敗でよくある原因は、理想と現実のギャップです。
例えば、
- 「プログラミングがしたい」と思って転職したのに、実際はシステム運用の仕事ばかり任された
- おしゃれで華やかな仕事現場をイメージしていたのに、実際は納期がきつくて毎日残業している
- 自由な環境で仕事ができると思っていたら、インターネットにも接続できない現場だった
などはよく聞く話です。
このような失敗をしないためにも、転職前にやっておくべき準備について紹介します。
IT業界の事業領域や職種を知る
まずは、事業領域や業種、仕事内容について知ることから始めます。
なぜなら自分が転職したい事業領域や職種について、ある程度絞り込む必要があるからです。
前述のとおり、IT業界はプログラマーやエンジニアだけでなく、様々な業種があります。
具体的な仕事内容を知ることで、希望しない事業領域への転職を防ぐことができます。
また、面談での伝え方が悪くて別の部所に配属されるといった失敗もなくすことができます。
本記事では代表的な事業領域と職種について紹介します。
興味のある分野、職種が見つかったら、さらに深く調べてみてください。
IT業界の代表的な事業領域
IT業界の事業を分野ごとに分けると、以下の5つに分類されます。
事業領域 | 特徴など |
---|---|
ソフトウェア系 | 自社でソフトウェア製品を開発する仕事です。 プログラマーやセールスエンジニアなどが多く在籍しています。 |
ハードウェア系 | パソコンやプリンタ、スマートフォンなど物理的な機器を製造、販売する仕事です。 組込み系エンジニアや保守サポートエンジニアなどが多く在籍しています。 |
インターネット・Web系 | インターネットを活用したWebサービス、インターネット広告、ソーシャルゲームなどを開発、提供する仕事です。 WebエンジニアやWebデザイナー、Webライター、Webマーケターなどが多く在籍しています。 |
情報処理サービス系 | 顧客となる企業の課題をシステムによって解決する仕事で、SIerとも呼ばれます。 ITコンサルタントやシステムエンジニアなどが多く在籍しています。 |
通信・インフラ系 | インターネット環境やモバイル回線などのインフラを拡張、整備する仕事です。 ネットワークエンジニアやインフラエンジニアなどが多く在籍しています。 |
転職のしやすさだと、今もっとも市場が拡大しているインターネット・Web系が一番だと思います。
IT業界の代表的な職種
IT業界の代表的な職種を8つ紹介します。
これがすべてではなく、さらに細かく分類されたりもするので、興味がある職種は深く調べてみてください。
職種 | 特徴など |
---|---|
プログラマー、システムエンジニア | システムの設計やプログラミングを行う仕事を担当します。 プログラミングが好きな人、物づくりをするのが好きな人に向いています。 |
インフラエンジニア、ネットワークエンジニア | システムの物理的・仮想的な基盤の構築・運用を行う仕事を担当します。 データを見ながら改善していくのが好きな人、情報を整理して管理するのが好きな人に向いています。 |
保守サポートエンジニア | 製品のカスタマーサポートやメンテナンスを行う仕事を担当します。 困っている人を助けるのが好きな人、定常作業が苦でない人に向いています。 |
セールスエンジニア | 自社製品を販売する営業活動において、技術的なサポートを行う仕事を担当します。 プレゼンテーションが得意な人、難しい技術を分かりやすく伝えることができる人に向いています。 |
Webデザイナー | Webサイトのデザインや画像、ロゴ作成などの仕事を担当します。 デザインが得意な人、様々なWebサイトを見て研究するのが好きな人に向いています。 |
Webライター | Webを使って顧客を集客したり、製品を知ってもらうための文章を執筆する仕事を担当します。 人の心を動かす文章を書くのが得意な人、体験談を人に伝えるのが好きな人に向いています。 |
Webマーケター | Webを使って集客するための企画を考案したり、広告を出したりする仕事を担当します。 集客のアイディアを考えるのが得意な人、データを見ながら戦略を立てるのが好きな人に向いています。 |
ITコンサルタント | 顧客の課題を聞き出し、解決策を提案して実行する仕事を担当します。 人の悩みを聞くのが好きな人、課題を見つけるのが得意な人に向いています。 |
僕はプログラマーをやったり、インフラをやったりと様々なことを経験してきました。
1つを選んだら、他の職種になれないということはないので、まずは興味があるものを見つけてみてください。
独学で学びながら仕事内容を知る
次に、業界・業種で調査した内容が、自分のイメージとギャップがないかを確認します。
それには実際に手を動かしてみるのが一番です。
プログラマーやシステムエンジニアに興味を持った場合
プログラマーやシステムエンジニアは、やはりプログラミングスキルが求められます。
まずは遊びながらプログラミングの基礎知識を身につけましょう。
おすすめはスクラッチというアプリケーションで遊んでみることです。
直感的な動作によってプログラムの構造を動かしながら学ぶことができます。
詳しい説明は、「プログラミングを始める前の学習法」の記事にまとめています。
興味が持てたら、さらにプログラミング言語をどれか1つ選んで、書籍を1冊読んでみてください。
まずはそこまででOKです。
デザイナー、ライター、マーケターに興味を持った場合
デザイナー、ライター、マーケターは副業で実際に働きやすい職種です。
実践で経験してみるのが一番です。
デザイナーはまずTwitterアイコンなどの小さな画像制作から行ってみると良いです。
出来上がったらクラウドソーシングのココナラに無料で展示して案件を募集してみましょう。
>> ココナラに無料登録する
ライターはクラウドソーシングのランサーズで、ライター案件を取ってみましょう。
決して単価は高くないですが、勉強のためなのでそこは目をつむりましょう。
>> ランサーズに無料登録する
また、自分でブログを立ち上げて、ライティングをしてみるのも勉強になります。
僕もそうでしたが、最初は思ったようにうまく書けなくても、だんだんとコツがつかめるようになります。
マーケターは副業エージェントのWorkshipを使って、企業が募集している案件に参画してみましょう。
簡単ではないかもしれませんが、メディア運営をしている企業で働いてみるのが一番の学習になります。
>> Workshipに無料登録する
マーケティングの基礎を知りたい方には、以下の書籍を読んでみるのもおすすめです。
漫画風になっていて、とても読みやすい本です。
ITコンサルタント、セールスエンジニアに興味を持った場合
ITコンサルタントやセールスエンジニアは、正直独学が難しい分野です。
製品を販売するという点で、Youtubeで自分の気に入っている商品の紹介を行ってみるとよいでしょう。
どうやったら商品の魅力を伝えることができるか、顧客の心を掴むことができるか、という点ではYoutubeでも同じです。
そこで収益があげることができれば、転職しても力を発揮することができるでしょう。
転職エージェントで企業の内部情報を知る
転職したい領域や職種が絞り込めたら、転職エージェントを使って企業の情報を取得していきましょう。
転職エージェントと聞くと敬遠される方がいるかもしれませんが、以下のようなメリットがあり、使わないと損なのです。
- 無料で利用でき、途中で辞めることもできる
- 業界の情報や企業の仕事や採用に関する情報を得ることができる
- 自分のスキルに合った企業を紹介してくれる
- 企業にあった履歴書の書き方、面接対策を教えてくれる
- 自分では気づかなかった市場価値を客観的に教えてくれる
20代未経験のIT転職で、おすすめの転職エージェントを3つ紹介します。
20代未経験のIT転職を成功させるポイント
20代未経験のIT転職は難しくないのですが、成功確率を上げるポイントがあります。
それは以下の3点です。
- 20代前半の未経験IT転職はスピードが勝負
- 20代後半の未経験IT転職は基礎スキルを身に着けておく
- はじめてのIT転職は年収アップにこだわらない
詳しく解説していきます。
20代前半の未経験IT転職はスピードが勝負
20代前半は新卒で就職したあとでも、第二新卒という有利な条件で転職活動を行うことができます。
ですから、この期間のうちに転職を行うのが成功させるポイントになります。
狙い目は大企業で文系卒業者を積極的に採用している企業です。
大企業は教育体制が整っているところが多いので、転職後にスキルアップを行うことができます。
とにかくスピードが勝負なので、上述の独学と並行して転職エージェントに登録して転職活動を始めましょう。
20代後半の未経験IT転職は基礎スキルを身に着けておく
20代後半での転職になると、企業側もある程度の即戦力となる人材を求めています。
未経験と言えども、まったく知識がない状態だと、エントリー可能な求人数がかなり減ってしまいます。
ですから、話についていける程度の知識を身に着けておくことが成功させるポイントになります。
狙い目は中小企業で、特に人材不足となっているWeb系企業です。
新規事業の立ち上げなどにより、経験は浅くても、若くてこれからスキルを伸ばしていける人材を求めていたりします。
29歳と30歳で大きな壁があるので、できるだけ20代のうちに転職活動を始めましょう。
はじめてのIT転職は年収アップにこだわらない
IT転職の理由の1つとして、高年収を求めているということもあると思います。
経験者の転職であれば、前職の年収よりもアップするケースが多くなります。
しかしながら、未経験となると企業側にとってもリスクがあるため、低めの年収を提示する傾向があります。
年収アップにこだわりすぎると、せっかくのチャンスを逃してしまうことになります。
はじめてのIT転職で大切なのは、IT業界で働く実績を作ることです。
転職後にスキルアップができたら、再度転職活動を行うことで、年収アップが期待できるでしょう。
20代未経験のIT転職でよくある質問
最後にIT転職でよくある質問について、僕の経験からお答えします。
なお、回答は20代未経験向けとなっています。年代や経験によって内容や対策が異なりますのでご注意ください。
未経験でプログラミングを独学で学ぶのはやめたほうがよい?
20代であれば、独学で学べる範囲の知識で十分です。
独学よりも早く転職して、現場で学びながらスキルアップをするほうが効率が良いです。
じっくりと学習したいということであれば、独学よりもプログラミングスクールのほうがおすすめです。
その理由については、「未経験からエンジニアになるのが難しい3つの理由と対策」に書いていますので、興味があればご覧ください。
未経験のIT転職にポートフォリオは必要?
不要です。
企業側としても、入社後の教育でスキルアップしてもらうことを期待しています。
ポートフォリオを作る時間よりも、転職活動の時間を優先しましょう。
20代のIT転職は大企業とベンチャー企業はどちらがよい?
転職のしやすさで言えば、
- 20代前半:大企業
- 20代後半:スタートアップ企業
となります。
働き方の違いやそれぞれのメリット・デメリットについては、以下の記事にまとめていますので、興味があればご覧ください。
本記事のまとめ
20代未経験のIT転職は決して難しいものではありません。
その理由は
- IT業界のどの事業領域、職種でも人材が不足している
- IT業界には多くの職種があり、様々なスキルが必要とされているので、未経験でも十分にチャンスがある
ためです。
未経験でのIT転職に失敗しないためには、理想と現実のギャップを生まないために、
- IT業界の分野や職種を知る
- 独学で学びながら仕事内容を知る
- 転職エージェントで企業の内部情報を知る
を事前にしておくことが大切となります。
失敗というのは、20代のうちに転職しないことでしょう。
30代になると、未経験でのIT転職は難しくなります。
転職はリスクが高いという気持ちも理解できます。
しかしながら、転職活動をすること自体はノーリスクです。
まずは行動することから始めてみませんか。
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参考にさせていただいた情報のリンク
独学に必要な情報のリンク
- プログラマー、システムエンジニア向け
- Webデザイナー向け
- Webライター向け
- Webマーケター向け
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