下記の記事では、エンジニアチームの各個人のスキルの習熟度をスキルマップで表す方法を紹介しました。
この方法では、自分の評価は自分で行うため、評価基準は決まっていても、過小評価する人、過大評価する人が出てきてしまいます。
そのため、僕が管理していたチームでは、「他者評価」というスキルマップも作っていました。
本記事では、チームや組織を管理されている方向けに、スキルマップの精度を高めるための「スキルマップ(他者評価)」について紹介します。
紹介する方法は、僕が実際に実施していたやり方ですが、もちろんこの通りにする必要はありませんので、状況に応じて改善してもらえればと思います。
スキルマップ(他者評価)とは
スキルマップ(他者評価)は、各スキルを他者が評価するものです。
360度評価に似たようなものですが、明確な評価基準は設けずに、スキルに対して一番詳しいと思う人は誰か、という基準で評価します。
自己評価によるスキルマップだけではブレがある評価に、他人の評価が加わることで、評価の精度をあげることができます。
また、各個人としても他者からの評価を受けることで、自己評価との乖離を確認することができ、新たな目標を立てるための情報にすることができます。
スキルマップ(他者評価)の作り方
②各自が現状を評価・入力する
③チームの状況を評価・フィードバックする
④半年に1回評価する、評価項目の見直しを行い改善する
①スキルシート(他者評価)を作成する
新たなシートを作成し、縦軸にスキルマップの評価項目、横軸にメンバーを記載し、マトリックスを作成します。
このシートを集計用と各自が入力する用(メンバー分)とで用意します。
各自が現状を評価・入力する
各自がスキルシート(他者評価)に評価を記入します。
記入方法は、各スキルに対して、詳しいと思うメンバーのところに順位を3位まで入力していきます。
このようにすると、各スキルで、1~3の番号が入力されます。
もちろん、自分が一番詳しいと思う場合は、自分のところに「1」を入力します。
③チームの状況を評価・フィードバックする
各自が入力したものを集計して、各自が評価した順位の合計を集計用シートに記載していきます。
集計の結果、一番少ない数字となっているメンバーが、そのスキルに対して一番詳しい人とチームから評価されていることになります。
集計結果をメンバーに公開し、この集計結果と、元々のスキルマップの評価で大きく乖離しているものはないか、を確認します。
乖離がある場合には、該当するメンバーへフィードバックすることで、新たな目標を立てたり、自己評価をあげるなどし、スキルマップの評価が一定の精度となるようにしていきます。
④半年に1回評価する、評価項目の見直しを行い改善する
スキルマップと同じく半年に1回程度を行います。
定期的に他者からの評価を受けることで、モチベーションをあげることができたり、次の目標を立てることができたりします。
また、スキルマップの評価項目が変更となった場合には、他者評価の項目も合わせて変更を行います。
自分では気づけなかった一面も発見できる
僕が管理していたチームでは、他者評価を取り入れたことで、自分では詳しいと思っていなかったスキルを評価され、より勉強するようになったメンバーもいました。
また、何よりも数値化されるので、成長を実感でき、次は1番を目指す、といったモチベーションの維持に繋がったのではないかと思っています。
数値化されてしまうことを懸念するメンバーもいるかもしれませんが、うまく見える化することで役立つ情報にすることが重要かと思います。
他者評価といえども、上記の方法であれば、誰が評価したのかはわからないので、個人の直接的な評価が反映されるものではない点もポイントかと思います。
以上、スキルマップ(他者評価)のご紹介でした。何かのお役に立てれば幸いです。
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