チームを管理していると、チームメンバーがどんなスキルをどれくらいのレベルで持っているのか、分からないということはないでしょうか。
チームリーダーは、効率よくプロジェクトや業務を進めるために、メンバーがどんなスキルを持っているかを把握する必要があります。
また、チームに不足しているスキルはないか、伸ばすべきスキルは何なのかを把握して、チーム運営を行っていく必要があります。
このような悩みを解決する方法として、スキルマップを活用する方法があります。
本記事では、チームや組織を管理している方向けに、スキルマップとは何かと、その作り方について解説します。
今回は、実際に僕がチームを管理していた時にやっていた方法を紹介します。
もちろんこの通りやらないといけないわけではありませんので、チームの状況に応じてカスタマイズしてもらえればと思います。
スキルマップとは
スキルマップとは、チームメンバー全員の持っているスキルの習熟度を一覧にしたものです。
縦軸に評価スキル、横軸にメンバーとして一覧を作成し、習熟度を5段階のレベルで評価します。
このようにすることで、チームの状態がひと目で分かるようになり、チームに不足しているスキルや、スキルミスマッチなタスクの割当てになっていないかなどを確認できます。
また、半年に一回など、定期的に評価を継続することで、各自がスキルアップを実感でき、それを人事評価の一部としても利用することができます。
スキルマップの作り方
②評価基準を決める
③スキルシートを作成する
④各自が現状を評価・入力する
⑤チームの状況を評価・フィードバックする
⑥半年に1回評価する、評価項目の見直しを行い改善する
①評価項目を決める
まずは評価項目となるスキルを決めます。
チームに必要となる技術、業務知識や、会社や組織の目標となる事柄など、評価基準を明確にできるものを選択します。
②評価基準を決める
5段階で評価するための基準を決めます。
例えば、以下のような感じです。
- レベル1:知識・経験なし
- レベル2:有識者のもとで指示を受けながら、作業を進めることができる
- レベル3:一人で作業を進めることができる
- レベル4:チームメンバーを教育したり、初心者を指導しながら作業を進めることができる
- レベル5:チームを超えて、社内・社外で教育や啓蒙活動を実施している
できるだけ誰もが同じ理解となるような、具体的な評価基準とすることが重要です。
また、評価項目毎にチームに合った評価基準にしないと、全員1とか全員5とかなってしまうので注意が必要です。
③スキルシートを作成する
評価項目と評価基準が決まったらスキルシートを作成します。
Excelのシートを用意し、縦軸に評価項目を並べます。横軸にメンバーを記載し、マトリックスを作成します。
このシートに直接メンバーが記入しても構わないのですが、「他の人に見られると恥ずかしい」、「他人の評価と比較してしまって正しく評価できない」、ということもあると思いますので、評価用の個人シートを作ることもおすすめです。(僕が管理をしていたときは作っていました)
個人シートは、後で集計しやすいように、縦軸の評価項目は同じ並びにしておき、横軸に評価を記入する列と評価基準5段階を書いて評価時に分かりやすいようにします。
④各自が現状を評価・入力する
各自が現状のスキルを評価します。
個人シートを用いている場合は、全員に記入してもらったら回収して、一人一人の評価をスキルシートにコピーしていき、スキルシートを完成させます。
⑤チームの状況を評価・フィードバックする
集計したスキルシートからグラフを作成したり、色を付けるなどして見やすいようにし、チームの状況を分析します。
僕がよく見ていたのは以下のようなところです。
- チーム全体が低いスキルはないか → 今後重点的に伸ばしていく必要がある
- 現在のタスク状況とミスマッチな状況や効率が悪い状況になっていないか → タスクの割当て方を変えたり、スキルの高いメンバーをサポートにつける必要がある
また、チームメンバーにフィードバックをしてメンバーへも意識付けを行います。
フィードバックの仕方は、個人面談であったり、チーム全体の結果を伝えたりするなどです。
個人個人の評価が全員に伝えられてしまうと、メンバー間で評価に対する問題が発生する可能性もあるため注意が必要です。行う場合は予め全員の許可をとってからのほうが良いと思います。
⑥半年に1回評価する、評価項目の見直しを行い改善する
半年に1回程度、評価を継続していきます。
現状分析に加えて、過去との比較を分析することで、想定通りにスキルアップをしているかを確認でき、スキルアップの施策の方向性を改善するなどに役立てることができます。
また、チームの状況が変わったり、扱うスキルや業務が変わることもありますので、評価項目に不足がないかなども確認します。
評価項目の追加は、必要に応じて実施して良いと思いますが、評価基準の修正は、過去のデータと比較ができなくなるため、できるだけしないほうが良いと思います。
チーム全体でのスキルアップが重要
僕がスキルマップを最初に始めたのは、メンバー同士がどんな知識を持っていて、困った時に誰に聞いたら良いか分からないという状況が発生していたからでした。
スキルマップを使えば、この技術に一番詳しい人が誰か、というのは一目でわかります。
一人ひとり、得意な技術や領域が異なりますが、チーム全体でスキルアップしていくと、難しいプロジェクトでも助け合いながら進めることができます。
僕は、スキルマップを作ってみて、改めてチームの重要性を実感しました。
さて、今回はスキルマップについて紹介しましたが、僕が管理していたチームでは、もう1つ「他者評価」というものを導入していました。
スキルマップは、自分で評価するため、評価基準はあっても、過小評価する人、過大評価する人が出てきてしまいます。
それを改善するものとして「他者評価」をしていたのですが、それはまた別の記事で紹介します。
コメント