「エンジニア経験1年で転職できる?」
「今の会社は自分に合わない!自分にあった会社の選び方は?」
「年収を上げるために、実務経験1年で転職するのはアリ?」
こんなことを考えていないでしょうか?
経験1年での転職は難しい、やめておいたよいのではと思いますよね。
僕はエンジニア歴20年の現役エンジニアで、経験1年で転職する人たちをたくさん見てきました。
本記事では、経験1年で転職しようか迷っている方に向けて、まずは結論からお伝えして、上記の疑問に対する説明を行っていきます。
エンジニア経験1年で転職するのはアリか?
では、結論からお伝えします。
エンジニア経験1年で転職するのはアリかどうかについて、僕の経験も踏まえた結論は以下のとおりです。
ただし、前提として以下の場合は除きます。
- 今の会社がブラック企業だった
- パワハラなどのハラスメントに合っている
- 自分がエンジニアに向いていないと判断したので別の業種へ転職したい
上記に当てはまる場合は、すぐにでも転職を検討しましょう。
そして、下記の状況にあてはまる場合は、スキルアップを目的とした転職を検討されることをおすすめします。
- いつも同じ作業ばかりでスキルアップを望めない
- 社内に技術に明るい人がいなくて相談できる人がいない
- 開発環境が古く、制限があって作業効率が悪い
次からは、この結論の詳しい説明を行っていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
スキルアップを目的とした転職をおすすめしたい理由
スキルアップを目的とした転職をおすすめしたい理由は以下の3点です。
- 転職で選択できる企業の幅が広がる
- 仕事のモチベーションが上がる
- 将来独立することができて年収の上限がなくなる
順番に説明していきます。
転職で選択できる企業の幅が広がる
スキルアップを目的とした転職を重ねていくと、転職可能な企業の幅が増えていきます。
つまり、1つのスキルを極めるよりも、複数のスキルを掛け合わせたほうが転職しやすいということです。
もちろん、それぞれの企業できちんとスキルを身につける必要があります。
スキルレベルが低いと掛け算しても大きな数字にならないですからね。
総務省の「平成28年経済センサス‐活動調査」によると、日本の企業数は約385万社あるとされています。
これだけの数があれば、自分が希望する年収や働き方にあった企業もあるはずです。
スキルを積み重ねていくことで、企業を選択する権利を手に入れやすくなるということですね。
仕事のモチベーションが上がる
前述の転職をおすすめしたい3要素は、モチベーションが下がる要因となるものです。
- いつも同じ作業ばかりでスキルアップを望めない
- 社内に技術に明るい人がいなくて相談できる人がいない
- 開発環境が古く、制限があって作業効率が悪い
スキルアップできるかどうかは、自分が身を置く環境が超重要です。
- チャレンジできる
- 周りに優秀な人が多い
- 潤沢で制限のない開発環境
これらはスキルアップに必要な3要素です。
モチベーションが上がる転職はおすすめです。
将来独立することができて年収の上限がなくなる
「1年間がんばって働いたのに全然給料が上がらない。だから転職したい。」と思っていませんでしょうか?
最初は転職によって年収を上げることができても、いつか限界が訪れるときがきます。
しかし、独立すると自分ががんばった分だけ年収を上げることができます。
独立は難しいと思うかもしれませんが、スキルを積み重ねることで安定して稼げるようになります。
ITエンジニアは、フリーランスエージェントを活用することで簡単に案件を獲得できます。
また、長期雇用案件も多いので会社員と変わらない働き方で、安定的に収入を得られます。
実際に僕がフリーランスになった当初は、フリーランスエージェントを活用していました。
フルタイムで会社員時代と同じように働き、年収はそれまでの2倍程度になり、安定的に稼げていました。
つまり、たくさんのスキルを積み重ねることで、年収も無限大になるということですね。
年収アップを目的とした転職をおすすめしない理由
年収アップを目的とした転職をおすすめしない理由は以下の3点です。
- 実務経験1年程度では年収はそれほど上がらない
- 新たな仕事を覚える時間が増えてスキルアップの機会を失う
- スキルセットがバラツキが出て将来の転職に影響する可能性がある
順番に説明していきます。
実務経験1年程度では年収はそれほど上がらない
転職によって年収が上がるかどうかは、1年間でどれだけスキルを身につけることができたかで変わります。
例えばAIやクラウドなど流行のスキルを身につけられたのであれば、年収を上げることができるかもしれません。
しかし、多くの会社ではプログラミングやテスト業務が中心かと思います。
1年でやっと慣れてきたという感じでは転職に活かすのは難しいでしょう。
転職サイトdodaの調査によると、24歳以下の平均アップ額は40万円程度になっています。
実務経験1年だとさらに少なくなるでしょう。
調査結果では、3~5年程度経験を積んだ、25~29歳が一番年収アップ率が高いようです。
新たな仕事を覚える時間が増えてスキルアップの機会を失う
転職して職場が変わると、仕事を覚える期間が必要となります。
新たな仕事に慣れるまで、最低でも3ヶ月程度は必要でしょう。
スキルを吸収しやすい初学者のときに、仕事を覚えるために時間を使うのはもったいない気がしますね。
スキルセットがバラツキが出て将来の転職に影響する可能性がある
新たなスキルの習得は、すでに知っているスキルと関連性があると早くなります。
例えば、プログラミングでRubyを知っていると、Pythonも違いを比較しながら学習できるので、早く習得できます。
しかし、1つのスキルが習得できないうちに新たなスキルを学ぶと、また一から学習し直しになります。
その結果、学習にも時間がかかります。
さらに、転職先でこれまでと全く異なるスキルを使う場合は、スキルの積み重ねができなくなります。
例えば、これまでWeb系のスキルを使っていたのに、年収が良いからといって組込み系の企業へ転職するとスキルの積み重ねにはなりにくいでしょう。
このようなスキルセットがバラつく転職を行うと、将来本当に年収アップを期待できる年齢でも転職しにくくなる可能性があります。
エンジニア経験1年で転職するときの注意点
次に、エンジニア経験1年で転職するときの注意点についてお伝えします。
ポイントは、「経験1年といえども、未経験者とは違う目で見られる」ということです。
面接の難易度が上がる
実務経験1年であっても、転職時には経験者として扱われます。
そのため、面接ではスキルに関する質問をされることもあるでしょう。
当然きちんと回答できないと採用されない可能性があります。
未経験の場合なら回答できなくて当然でも、経験者となるとそうはいきませんね。
とはいえ、テスト勉強のように1日でなんとかなるものではないので、あらかじめ対策をしておく必要があります。
すぐに退職することを懸念される
企業の採用担当者は、転職者がすぐに退職されることを恐れます。
採用のコストが無駄になってしまうからですね。
1年での転職は、「またすぐに退職してしまうのでは」と懸念させてしまいます。
同程度のスキルを持つ、経験1年と2年の二人がいたら、おそらく経験2年の人のほうが有利になるでしょう。
そのため懸念させないために、準備が必要となります。
知識不足により自分に合わない企業を選択してしまう可能性がある
長くIT業界にいると、様々な企業の情報を見聞きします。
例えば、どんな技術を使っているとか、残業が多いとか、採用に積極的とかですね。
そうした経験が積み重なると、どんな会社が自分に合うのか分かるようになります。
しかし、1年では情報を集めて判断するのは難しいでしょう。
自分だけの判断では、ブラック企業を選択してしまう可能性もあります。
エンジニア経験1年の転職を成功させるコツ
上述の注意点を踏まえて、転職を成功させるコツについてお伝えします。
はじめに列挙すると、以下の3つになります。
- ベースとなるスキルを身につける
- スキルや希望条件に見合った企業を厳選する
- 面接対策をしっかりと行う
順番に説明していきます。
ベースとなるスキルを身につける
ベースとなるスキルを身につけるとは、どこの企業でも必要とするようなスキルを身につけるということです。
つまり、ITエンジニアならほぼ100%使う技術を早く習得しようということです。
具体的にあげると以下の3点です。
- OS(Linux)
- ネットワーク(HTTP)
- データベース(SQL)
OS(とくにLinux)、ネットワーク(とくにHTTP)、データベース(とくにSQL)は、どこの企業にいっても使います。
僕は20年エンジニアをやっている中で、使っていない企業は一つもありませんでした。
つまり、どこの企業でも使うスキルを習得しておくことで、面接の質問にもきちんと回答できる可能性を高めることができます。
なによりも、将来にわたって転職可能な企業の幅を広がり、成功率をアップさせることができるでしょう。
3つの学習方法は「エンジニア転職におけるスキル不足を解決する3つの方法」で紹介していますので、ぜひご覧ください。
スキルや希望条件に見合った企業を厳選する
求人情報に記載されているスキル要件は確認していますでしょうか?
自分が持つスキルが、必須スキルに含まれているほうが採用されやすくなります。
では、必須スキルがすべて揃っていないと転職できないかというと実はそうでもないんです。
必須スキルの中にも優先度があり、どうしても必要なものと妥協できるものがあります。
そこをうまく見極められると、成功率をアップさせることができます。
とは言え、経験が少ないとそんなに簡単に判断つかないですよね。
そんなときは転職のプロに頼るのが一番良い方法です。
つまり、転職エージェントを利用するということです。
利用手順としては、まず自分がどうしても受け入れられない条件を整理しておきます。
そして、転職エージェントにスキルと条件を伝えることで、効率よく自分のスキルと希望をマッチングしてくれます。
マッチングの評判が良い転職エージェントは以下になります。
- リクルートエージェント [ 評判を見る ]
- dodaエージェントサービス [ 評判を見る ]
- レバテックキャリア [ 評判を見る ]
注意点としては、1つのエージェントだけでは紹介求人に偏りがでます。
そのため、複数エージェントから紹介してもらうことで、求人の幅を広げることができます。
面接対策をしっかりと行う
未経験者とは違い、面接ではスキルに関する質問もされる可能性があります。
質問内容は、面接する企業で重要となるスキルであることが多いため、求人情報からある程度事前に準備も可能です。
そうはいっても、範囲が広すぎて準備が難しいですよね。
実は、転職エージェントを利用すると、過去に出された質問を教えてくれる場合があります。
過去に面接した人から質問内容を聞いているからですね。
もちろん全く同じ質問をさせるとは限りませんが、傾向をつかむことはできます。
また、転職エージェントでは模擬面接もやってくれるので、はじめての転職の場合は活用したほうが成功率をアップさせることができるでしょう。
サポートの手厚いと評判の転職エージェントは以下になります。
- パソナキャリア [ 評判を見る ]
- マイナビIT AGENT [ 評判を見る ]
- Tech Stars Agent [ 評判を見る ]
エンジニア経験1年での転職についてよくある質問
最後に、エンジニア経験1年での転職についてよくある質問を答えていきます。
僕の経験も交えて回答していきますので、参考にしていただけたらと思います。
実務経験1年の市場価値はどれくらい?
エンジニアの市場価値は、スキルセットとキャリアで決められることが多くなります。
スキルセットは流行に大きく左右され、時代に合わせて変化していきます。
近年では、AIやクラウドに関するスキルセットは市場価値が高くなっています。
一方でキャリアは、マネジメントや顧客折衝経験などの役割を市場価値とします。
一般的に上流工程を担当する役割のほうが市場価値が高くなります。
経験が浅いうちは、キャリアよりもスキルセットで市場価値を高めていくとよいと思います。
すでに流行のスキルを身につけている場合は、市場価値が高いと言えるでしょう。
エンジニア経験1年の転職で見込める年収アップ率はどれくらい?
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、エンジニア以外も含め、転職によって年収が増えた人は全体の40%程度になっています。
また、IT業界特化の転職エージェントであるギーグリーの調査によると、経験の少ない20代前半の平均年収アップ率は115%程度、金額で約50万円程度となっています。
月収換算すると、20万円の人が23万円にアップしたということになりますね。
実務経験1年では上記数字よりも厳しい状況になると思います。
よって、年収がアップする確率は40%未満、アップする金額は月2~3万円未満となるでしょう。
個人的には、上記は平均値なので中央値をとるとほとんどの人は増えないのでは、と思います。
実務経験1年と2年の差は転職にどう影響する?
僕の結論としては、初学者における1年の差は大きいと考えています。
なぜなら、実際に新卒社員が2年目で大きく成長したのを何人も見ているからです。
多くの現場では、1年目は研修や雑務を任されることが多く、経験としては浅くなりがちです。
2年目になると実務が中心となるため、経験値が増えて成長することが見込まれます。
採用する企業側ても、経験2年のほうを高く評価します。
(経験11年と12年なら変わらないですけどね。それだけ成長曲線が高いということです。)
何よりも、1年よりも2年のほうが退職懸念に対して、安心されやすい側面がありますね。
転職しやすい経験年数はどれくらい?
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、労働者の勤続年数の平均は12.3年となっています。
上記は通常の退職も含まれるので参考値となりますが、多くの人は1社に10年程度勤務しているということになります。
また、転職サイトdodaの調査によると、転職成功者の年代別割合は25~29歳が最も多くなっています。
20代前半でエンジニアになったとすると、3年~5年程度の経験年数が最も転職しやすいということですね。
個人的な意見としては、dodaの結果のほうがエンジニアの実態に近い数字である思います。
周りのエンジニアたちを見ても、3~5年程度で転職を繰り返す人が多い印象です。
多くの職場では同じスキルを使うだけで、成長度合いが低くなって満足できなくなります。
何よりモチベーションが続かない、というのが大きな理由ですね。
一方で、キャリアの成長としては5年目以降が伸ばしやすい時期となります。
社内でのポジションが変わり、役職を与えられるからですね。
まとめると、スキルの成長を目的とした転職であれば、3~5年程度がよさそうです。
キャリアの成長を目的とした転職であれば、5~10年程度の期間を見ても良いかもしれません。
まとめ:エンジニア経験1年での転職は目的を明確にしよう
いかがだったでしょうか?改めて冒頭の疑問と回答をまとめると、
- エンジニア経験1年で転職できる?
- 今の会社は自分に合わない、自分にあった会社の選び方は?
- 年収を上げるために、経験1年だけど転職するのはあり?
→できる。スキルアップを目的とした転職はおすすめしたいが難易度は高くなる。
→受け入れられない条件を整理して、プロにマッチングしてもらうのが効率がよい。
→年収を上げるためだけの転職はおすすめしない。よほどのスキルがないと上がらない。
となります。
エンジニア経験1年での転職は、多くの人にとっては難しいかもしれません。
ですが、スキルアップを目的とした転職であればどんどん挑戦してもらいたいと思います。
転職がうまくいくかどうかはさておいて、転職活動自体はすべて無料ですし、リスクもありません。
迷っているのであれば、将来転職しやすくするための勉強として活動してみるのはいかがでしょうか。
本記事のリンクまとめ
本記事で紹介した関連記事のリンクは以下になります。
コメント