これからフリーランスへ転身しようと考えているエンジニアの方は、以下のようなことを疑問に思っている方も多いと思います。
会社を辞める前にやっておくべきことはあるのか
退職した後に必要な手続きにはどんなものがあるのか
フリーランスエージェントで案件を獲得するまでどれくらいかかるのだろう
確定申告のためにどんなことをしておけばよいのだろう
フリーランスは会社員と違って様々な準備や手続きを自分で行う必要があります。
そのため、初めてフリーランスに転身される方は、何をやったらよいのかわからない方もたくさんいることと思います。
そこで、本記事ではフリーランスエンジニアの僕自身が、退職してから案件を獲得するまでに行ったことを紹介しながら、必要な準備や手続きについて解説します。
1つ1つは難しいものではありませんので、順番に行っていけば心配することはありません。
初めてフリーランスになる方の参考にしてもらえればと思います。
フリーランスエンジニアの始め方【初めての方必見】
以下の順番に解説していきます。
- 会社を退職する前にしておくこと
- 会社を退職したらすること
- その他考慮すべき点
会社を退職する前にしておくこと
会社を退職する前にしておくことは以下の2点です。
- クレジットカードを作っておく(任意)
- 引越しを考えている場合はしておく(任意)
どちらも必須ではありませんが、フリーランスは会社員に比べて信用力が低いので、会社員のうちにやっておいたほうがよいことになります。
クレジットカードを作っておく
クレジットカードは、取引の支払いや物品の購入の際に、記録を残すという意味でも1枚は持っておいたほうがよいです。
ただ、フリーランスは法人と違って、口座や支払いを事業用として厳密に分割する必要はないので、今使っているものがあれば無理に新しいものを用意する必要はありません。
個人としてのクレジットカードを使うことが多い方であれば、分割しておいたほうが確定申告の際に楽になるかもしれません。
僕は個人用のクレジットカードを事業としてもそのまま使っています。
引越しを考えている場合はしておく
引越しを考えている方は、退職前に実施しておくほうがよいです。
理由は2つあり、1つは、フリーランスになると物件の審査が承認されない場合があり、希望する物件に引越しできなくなるためです。
もう1つは、フリーランスになると様々なところで住所を登録する必要があり、住所変更手続きが面倒になるためです。
会社を退職したらすること
会社を退職したらすることは以下の4点です。
- 国民年金、国民健康保険への切替え手続き
- 開業届、青色申告承認申請の手続き
- クラウド会計ソフトを導入する
- 案件を獲得する
国民年金、国民健康保険への切替え手続き
まず最初にやるべきことは、国民年金、国民健康保険への切替え手続きです。
この手続きは必須であり、退職日から14日以内に行う必要があります。
どちらも役所にて手続きを行います。
手続きには、退職(離職)証明書または社会保険の資格喪失書が必要なので、会社を退職する際に発行してもらいましょう。
(社会保険の資格喪失書の発行は少し時間がかかると思いますので、退職(離職)証明書をもらうほうがよいです)
家族がいる場合は、扶養に関する検討や手続きも必要になります。
家族構成や状況に合わせて、どの方法が最も節税できるか検討しておくことをおすすめします。
また、これらの支払いを口座振替やクレジットカード払いに変更する場合は、後日申請を行います。
開業届、青色申告承認申請の手続き
開業届は、開業から1ヶ月以内に届け出る必要があります。
青色申告承認申請は、必須ではないですが、お得な制度で開業届と一緒に出せるので、合わせて手続きします。
どちらも管轄の税務署に提出します。
しっかり準備できていれば、手続きはすぐに完了します。(僕は5分程度で終わりました)
申請用紙は国税庁のホームページからダウンロードできるのですが、それよりも申請書の作成サービスを使ったほうが楽です。
どちらの申請用紙もマネーフォワードまたはFreeeで無料で簡単に作成することができます。
どちらが良いかは、後述するクラウド会計ソフトの導入と合わせたほうが便利です。
>> マネーフォワード 開業届
>> 開業Freee
クラウド会計ソフトを導入する
日々の売上や使った経費は都度記録していく必要があります。
これを手作業で行うのは非常に手間がかかるので、費用対効果を考えてもクラウド会計ソフトを導入するほうがよいです。
開業届と青色申告承認申請書を作成した、マネーフォワードまたはFreeeをそのまま使うことが望ましいのですが、どちらを使うのかの判断は以下のように行うと良いと思います。
- 簿記の知識がある方(複式簿記や仕訳の意味が分かる方) → マネーフォワード クラウド確定申告
- 簿記の知識がない方 → 会計freee
確定申告前に一気に入力することも可能ですが、できるだけ月単位で入力していくことをおすすめします。
後述する方法で入力の手間を少し省くこともできるようになります。
案件を獲得する
案件の獲得方法は様々ありますが、どうやったらわからないという方は、フリーランスエージェントに3~5つ程度申し込んでみてください。
申込みは無料でできますし、案件獲得までに費用が発生することはありません。
僕も最初はフリーランスエージェントを利用して、案件を獲得しました。
フリーランスエージェントを利用しても案件獲得の流れは基本的に以下のようになります。
➁エージェント担当より連絡があり、エージェントとの面談を行う
➂エージェント担当より自分に合った案件(企業)を紹介される
➃希望する案件の企業と面談を行う
➄企業からオファーがあれば契約して案件獲得となる
全行程で順調にいくと実際に働き始めるまで、最短で約1ヶ月程度になります。
企業側での準備も必要だったりするので、2ヶ月程度は余裕を見ておいたほうがよいです。
そのため、退職後すぐに働きたいという方は、退職前1~2ヶ月前には準備を始めることになります。
(ただし、退職後すぐは役所に行ったりなどの手続きがあるので、少し期間を空けることをおすすめします)
その他考慮すべき点
その他として、僕が行っていることや気をつけていることについて紹介します。
小規模企業共済やiDeCoへの加入を検討する
フリーランスになると退職金がなくなります。
また、大半の方は収入が増えると思いますが、その分税金も増えます。
小規模企業共済やiDeCoは、退職金の代わりにすることができ、かつ節税が可能なものになります。
僕はどちらにも加入しています。
加入する年齢によっては、お得度が下がる場合もあるのですが、ぜひご自身で調べてみてもらいたいと思います。
クラウド会計ソフトとクレジットカードや銀行口座を連携する
クラウド会計ソフトとクレジットカードや銀行口座を連携するすることで、自動的に入出金を記録してある程度仕訳をしてくれます。
ただ、完璧ではないので、僕は月1くらいの頻度で確認したり、不足分を入力するようにしています。
連携はマネーフォワードでもFreeeでもどちらでも可能です。
なるべくクレジットカードやスマホなどのキャッシュレス決済を利用する
キャッシュレス決済を利用することで利用履歴が残り、クラウド会計ソフトに自動連携されるようになります。
現金は使ったタイミングで入力を忘れると漏れが発生するので、僕はできる限りキャッシュレス決済を使っています。
経費の精算にどうしても現金を使わないといけない場合は、レシートや領収書を忘れずにもらってすぐに会計ソフトに入力するようにしています。
銀行口座を用途によって分ける
フリーランスになると、事業に必要な経費や税金も収入として一旦入ってくるので、適切に管理しておく必要があります。
すべて一緒の銀行口座で管理できる方は問題ありませんが、最初のうちは分けておくことをおすすめします。
僕は以下のように分割しています。
- 生活費用口座
- 税金用口座
- 貯蓄・投資用口座
また、事業収入はすべて一旦住信SBIネット銀行にして、定額自動振込サービスを使って、上記の口座へ分割しています。
まとめ
フリーランスになるのに最初の手続きはやや面倒ではありますが、決して難しいものではありません。
特にエンジニアとしての経験があれば、案件獲得も難しいものではないので、転身を考えている方はぜひ挑戦してもらいと思います。
今回は、フリーランスエンジニアの始め方について解説しました。
以上、参考になれば幸いです。
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